私がスウェーデンという国に興味を持ったきっかけとなった本。それが、「北欧デザインの巨人たち あしあとをたどって」という本です。
主に紹介されているのは、アルネ・ヤコブセン(デンマーク)、上述のエリック・グンナール・アスプルンド(スウェーデン)、アルヴァ・アアルト(フィンランド)など、北欧3国の有名な建築家たちですが、その中でふと小話的に出てきたのがAcne Studiosというスウェーデン発祥のファッションブランド。今でこそ、パリコレへの進出など、ファッション業界での活躍は目覚ましく、ファッション感度の高いシティーピープルに人気のAcne Studiosですが、元々は、スウェーデンのクリエイティブ集団であるAcneから派生して出来たファッションブランド。取り扱うジャンルはグラフィックデザイン、映像、広告など、北欧らしい(と私は思う)大胆な写真のカットを使ったダイナミックでアーティスティックな表現がとても印象的です。クリエイティブディレクターのJohnny Johannson (ジョニー・ヨハンソン)の、写真やアート、建築、現代文化へのマルチな興味がAcne Studiosを今現在の姿まで導いたと言います。
さて、Acne Studiosの元になるAcne Jeansというブランドは、そのクリエイティブディレクターであるジョニー・ヨハンソンが100本のデニムを作り、友人や家族に送ったのがきっかけで発足したそうです。そのジーンズがとても好評で、そこから瞬く間に現在のファッションブランドの地位を築き上げます。ノンウォッシュに赤のステッチが入った100本のデニムのプレゼントから始まったブランド。なんだか粋だなと思いました。
もう一つ見逃せないのが、そのAcne Jeans1号店の出店場所として選ばれた場所。ノルマルム広場にある銀行をリノベーションして作られた店舗には、天井まで届く棚にジーンズが積み上げられる、なんともアバンギャルドな光景。
〜スウェーデンとドイツと日本で見つけた建築デザインが教えてくれたこと〜